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インド占星術と生まれ変わり 3

 1982年1月24日、チベット・ラダックで大規模な政治デモがあり、警官が発砲した際に二名が死亡しました。そのうちの一人が、デモのリーダーだったウチョス・ランツォクという僧侶で、銃弾は右足の付け根から左の肩まで貫通していたということです。

 それから2年後の1984年に、ランツォクの出身地で生まれた赤ちゃんが彼の生まれ変わりと信じられるようになりました。その赤ちゃんはスキッジョルといい、2歳のときにはゾッパという名前を与えられました。

 ゾッパには、銃弾に倒れた僧侶、ランツォクの記憶があり、さらにランツォクと同じところに弾丸の痕があり、警官隊に撃たれたときの記憶ももっていました。

 こうして僧侶の生まれ変わりとして認められたゾッパのことは、ラジオでも放送されました。彼は、「トゥルク(化身)」といわれる生まれ変わりで、ゾッパの前生の記憶は、1歳半から4歳まであった、といわれています。

●過去記事 「インド占星術と生まれ変わり 2014/11/12
        「インド占星術と生まれ変わり 2 2014/11/17

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インド占星術と生まれ変わり

 インド占星術は、輪廻転生(生まれ変わり)をベースに、人は死んだら終わりではない、という考え方の上に成り立っているといえます。

 人生は一度きりだから、思いっきり楽しまなきゃ、と思って生きている人も多いと思いますが、国によってはトゥルクという制度があって、同一人物の生まれ変わりを国が認める制度があるほど、人々には生まれ変わることは当たり前に信じられています。チベットのダライラマも、生まれる前の記憶をもって生まれてきた人ですね。

 前の生の記憶があるということは、いまは、前の生のつづきを生きている、ということです。前の生で得られた知識をすでにもって生まれてきている、という可能性だってあります。実は、人はみんな前の生の記憶を少しはもっているんじゃないか、と思うのです。普通は、小さい頃に忘れてしまうケースもあるかもしれません。人のクセとか、好きな場所だったり、食べ物の好みなんかもあるかもしれません。例えば、この人とは初めて会ったはずなのに、なんとなく懐かしいな、とか、気が合うな、とか。それは、前の人生のどこかで出会っていた相手なのかもしれませんね。

 知識も実は死んだ後の次の人生につなげていけるものだとしたら、早く手に入れた方がいい、という考え方もありますよね。いま何か人より上手くできることがあれば、それは前の人生で努力して手に入れていたものかもしれません。

 それでは、知識を得るにはどうすればいいのか。それは、打撃です。心と肉体のあらゆる打撃。人間は、そこから火がつくのです。いったん火がつくと、自らの力と知識が発見されるのです。これがカルマです。

 実は、この知識というのは、人の心の中に存在するのです。それを呼び出すための摩擦が必要なのです。実際の火起こし、みたいですが、まさにそういうことです。勉強にしても、仕事にしても、または恋愛も? どれもつらくて大変な面がありますが、それも知識を呼び出すためには必要なことなのです。

 人間は、厚い覆いにおおわれています。覆いおおわれたままの人は無知であり、それが完全に除かれたひとは、全知の人であるとされています。世俗的なものにしても、精神的霊的なものにしても、すべての知識は人間の心の中にあるとされています。ニュートンが万有引力を発見した、と歴史にはありますが、引力はリンゴの中にも、地球の中心にもありません。リンゴが落ちたことがニュートンにヒントを与え、彼は自分の心を研究したのです。さあ、あなたも何かに打撃を受けて、自分の心を研究してみてください。すでに、インド占星術があなたの心の打撃のひとつになっているのかもしれません。

ダライ・ラマ14世

ダライ・ラマ14世

ウィキペディアより

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