インド占星術の惑星で水星には、「知識、知能」という意味があります。
知識、知能について、面白いインドの民話をご紹介します。
王さまは、領内で手広く商売をやっているものがたいそう金持ちだと聞いて、その金を手に入ることを考えました。
王さまはその商人を宮廷によんで言いました。「わしは、商人のお前に手に入れてもらいたいものがある。ほしいものは4つ。一つ目は、どんどん減っていくもの。二つ目は、どんどん増えていくもの。三つ目は、減りもせず増えもしないもの。そして最後は、減ってもまた増えるものだ。この先半年のあいだに、この四つを手に入れてもらいたい。もし約束の期限がきてもこの四つをとどけることができないときは、お前の持っている財産をすべてわしがもらうことにする。よいな」
商人はこれ聞いて、「さてどうしたものか。このままでは財産は残らず王さまのもの。わたしは無一文だ・・・」。商人はすっかり気を落としてしまいました。そんな夫をみた女房は、ある日夫にわけをだずねました。夫から話を聞くなり女房は言いました。「そんなものだったら、あたしがお嫁に来たとき里から持って来たわよ。いまもちゃんとしまってあるわ」。そして女房は、宮廷にでかけていきました。
女房は王さまの前で言いました。「あなたははじめに、減りつづけるもの、とおっしゃいましたね。それは寿命でございます。それから二つ目の、増えつづけるもの、それは人間の欲望でございます。こればかりはいつまでたっても、これでいいということがありません。三つ目は、減りもせず増えもしないもの、それは、人の運命でございます。そして最後の減ってもまた増えるものは、自然でございます」。
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