カテゴリー別アーカイブ: 言葉・話し方

語感力は場をも制す

  「私って、嫌われちゃうタイプなんですかね・・・」と悩んでいる人がいました。

 特別何か失敗をしたわけでもないのに、相手との関係がうまくいかず、周囲も困っている、という状況のようです。

 そこで、こんなとき役に立ちそうなお話をご紹介しましょう。

 「ことばの語感力は、場をも制します。例えば、女性上司が部下を激励するシーンで、『みんな、頑張ろうね』と声をかけるのと、『目標を達成するよ。わかった?』と声をかけるのでは、その場の雰囲気がかなり違ってきます。『みんな』、『頑張ろう』は、母音が響く訓読みのことば。母音は自然体で出す音韻のため、親密感を強く呈しています。
 これに対し、『目標』、『達成』は、子音が響く、音読みことば。子音は息を破裂させたり、歯で擦ったりして出すいわば威嚇音なので、緊張感を呈します。特にタッセイは、舌を叩きつける『タッ』の音に、息の疾風『セ』を追随させるため、優しい女声で発音しようとも息のパワーが萎えません。営業マンの尻を叩くのに、かなり適した語感と言えます」

 ちょっと長くなりましたが、黒川伊保子さんの本からのお話しでした。

 「私って、嫌われちゃうタイプなんですかね・・・」と悩んでいた人も、自分では丁寧に話しているつもりで選んでいた言葉の一つ一つが、相手にとっては冷たく感じたり、距離を感じさせたりしていたのかもしれません。話し方にしても、あまりにも淡々としているため、もう少し感情を込めるとか、抑揚をもたせることも大切かもしれません。相手と話すときに使う言葉は、できるだけ平たく、優しい単語を選ぶようにできれば、聞く相手が受ける印象もかなり良くなるのではないでしょうか。

●関連記事 「ハウス 2室について) 2015/01/02」 はこちらです。

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ハウス 2室について(口 くち、雄弁さ)

 インド占星術のハウスで2室には、「口 くち」という意味があります。ここから「雄弁さ」という象意(しょうい)も生まれます。

 中世ヨーロッパのキリスト教神学者で論理学者でもあった、ピエール・アベラール Pierre Abélard の考察をご紹介します。

 「余計な一言は、饒舌と同じく無益である。過ちの原因となりえる発言には、特に慎重でなくてはならない。命とりでかつ予防のむずかしい病のようなものなので、それだけに有効な対策を講ずることが必要である」。

 2室は、その人が話す話し方や内容などもあらわしています。

 なんとなく人間関係がうまくいっていない、とか、周囲の人としっくりいかない、というようなときは、その原因は「口」にあるかもしれません。

 その原因を自分で気づくのはなかなか難しいもので、誰かが指摘してくれるかというと、それもあまり頼りになりません。まずは、あまり余計なことはしゃべらないこと、それだけでも心がけてみるといいかもしれませんね。

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