インド占星術の惑星で月には、「機転・頭の回転が速いこと、井戸」という意味があります。
機転・頭の回転が速いこと、井戸について、面白いインドの民話をご紹介します。
ある夜のことです。盗人たちが家のすぐ近くの茂みにひそんでいることに気づいた男は、おかみさんをよんで聞こえよがしに大きな声でいいました。
「ここんとこ、村じゃ盗人のはなしでもちきりだ。わしらも、宝石や金など大きなつづらに全部入れてしっかり鍵をかけてから、裏庭の井戸に沈めておくとしよう。そうしておけば、盗人に入られても安心だ」。
その話を聞いていた盗人たちは、つづらが井戸に沈められ、家の人たちも寝静まったのを確かめてから、茂みから抜け出し裏庭の方へまわりました。ひとりが井戸の中におりていき、しばらくすると、「おうい、つづらは底だ。これじゃ水が深くてどうにもならねえ。みんなでなかの水をかいだせば、つづらを引き上げられるぜ」。それを聞いて盗人たちはかわるがわる井戸におりて、バケツで水をかいだしはじめました。そこに男がそっと裏庭にやってきて、盗人たちのかいだす水の流れを果樹園のほうへ向けました。
盗人たちは、夜明けちかくになってやっと目当てのつづらを引きあげました。仲間のひとりが錠前をこわしてふたをあけると、中には大きな石ころがいっぱいつまっていました。男はうまいこと盗人たちをつかって、果樹園にたっぷり水をやることができました。
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